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ジェルバ島からチュニジア本土へ

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ジェルバ島はホーマーの「オデュッセイアー」にゆかりのある場所でもあります。「オデュッセイアー」でオデュッセイウスと部下たちが海上を漂流中に立ち寄った「ロータス(ハス)を食べる島」というのはジェルバ島のことだと言われています。ハスはギリシア神話では忘憂樹、その実を食べると夢心地になって苦しみを忘れるとされています。オデュッセイウスたちはこの島の楽園に浸りこんで我を忘れてしまい、本来の目標も忘れ島を出ようとしませんでしたが、いつかは楽園の生活に飽き足りる時がきて、故郷を目指し島を出ました。古の詩人が「ジェルバはいつも午後のけだるさのある場所」と言ったそうですが、現在のジェルバもある意味で共通したところがあるかもしれません。

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海の気をたっぷり吸ってゆったりとした島での滞在。それはそれでリラックスにもなり、力が充電できて良かったのですが、ちょっと単調すぎるように思い、ホテルの旅行代理店が提供しているチュニジア南部の内陸へ向かう一泊二日の旅に参加することにしました。

べルベル民族が古から住み続けている荒涼とした岩山の山間に点在している村々を巡り、スターウォーズのロケ地となった穴居住宅のあるマトマタ、月面のような風景が広がる岩の砂漠、シュールな塩湖を訪れ、サハラ砂漠での駱駝乗りにオアシスでの馬車のツアーや、ノスタルジックな趣を楽しめるレトロな汽車でチュニジアのグランドキャニオンと呼ばれている風光明媚な峡谷を巡る旅でした。

当日の早朝ホテルの前で待っていると、アラビア語なまりだけどドイツ語がぺらぺらのチュニジア人のツアーガイドと一緒に小型バスが迎えに来ました。他のホテルからも参加する人がいましたが、参加者はそれでも少人数で、私たちを含めて10人。ドイツ人の初老夫婦に、ドイツ系ルーマニア人の若いカップル、そして男性1人と3人の女性からなるドイツ人のグループ。その3人組の女性たちはバスの中で朝からお酒でも飲んだのではと思われるようなけたたましさ。チュニジア人のガイドを誘惑するようにからかったり、何か過激なジョークを言い合っては高笑いを連発。狭いバスの道中で彼女たちの騒々しさに些か閉口しましたが、後で接してみると気立ては悪くなさそうでした。

この一行で時には冒険に満ちたチュニジア南部への旅が始まります。

by honeyfire | 2010-02-05 21:33 | 旅(国外)