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さむらいの手相

youtubeで何か検索していて偶々見かけた手相の見方を説明する映像を面白半分で観ていたら、これが面白くて楽しめましたが、手相といえば思い出すエピソードがあります。

もう随分昔のこと。ドイツへ渡る旅費を貯める為にデパートでアルバイトをしていた頃のこと。隣の売り場に手相を見れるという女性がいました。私たちはまだ知り合ったばかりでしたが、手相を見てあげると言うので、手を差し出すと、数秒ほどちらっと見ただけで、「あなたの先祖は武士だったでしょう」と言うのです。そして「先祖の中に徳の高い人がいて、あなたを護ってくれている」と言い添えてくれました。私は占いの類はあまり関心がなくて、手相を見てもらったのは後にも先にもこの時だけだったのですが、とても驚かされました。というのも彼女の言葉は当たっていたのです。

確かに母方の先祖は武士で、徳の高い人というのにも心当たりがあったのです。言い伝えによると、先祖の或るさむらいは部下が卑怯なやり方で複数のさむらいによって斬り殺されたと聞き、独りで乗り込んでいって部下の敵を討った後、頭を丸めて仏門に入ったそうなんです。母や親類からこの先祖について聞かされたことがありました。徳の高い人というのはこの先祖の事かもしれないと思いました。

手相を見てくれた女性にどうして分かるのかと聞いたら、彼女はただ謎めいた笑みを浮かべて「この手はさむらいの手以外のなにものでもない」と答えただけで詳しくは説明してくれませんでしたけど。

そう言われれば、私は武士道とか、騎士道とか、はたまたインディアンの勇士とかの物語に接すると、お姫様やプリンセス等の登場人物ではなく、つわものの方に深く感情移入してしまって魂が強く反応するんですよね。さむらいの遺伝子がそう感じさせるのだろうか。それにしても手には個人の歴史だけでなく先祖の跡も残ってるなんて思ってもみませんでした。
by honeyfire | 2010-12-18 18:15 | 雑感