人気ブログランキング | 話題のタグを見る
NEW POST

日本語は美しい

少年の頃から日本文化に惚れ込んでいる夫は日本語を習うのを何よりも楽しみにしています。以前は外国人の為の日本語学習の教科書で習ってましたが、そういう教科書の扱っているテーマや語彙はちょっと面白みに欠けているので、もっと心で味わえるような美しい日本語の文章の流れを習わせたくて、週末に一緒に日本文学を読むことにしていました。

以前日本でいつか夫に読ませようと少年少女向けのふりがなのふってある日本文学の本を幾冊か買っていたので、まずは島崎藤村の「ふるさと」を読ませることにしました。これは藤村が幼い頃に過ごした故郷の木曽の思い出を我が子に語りかけるように書いている本で、文法もそんなに難しくなく、木曽の自然の美しい情景の中で繰り広げられる昔の田舎の子供の生活が描かれており、日本語の教科書と違ってとても新鮮で、夫もとても楽しんでいる様子でした。 新しく出て来る言葉の意味を教えながら、一文章づつ私が先に声に出して読んで、夫が続けて読んでいくのです。

日本語は美しい。日本語には潤いがある。夫も日本文学を通して日本語の美しい文章を味わうことができて、とても嬉しそうです。こんな風に日本語を習った後はまるで新鮮な空気の中を散歩してきたかのように頭がクリアーになると言っています。日本語を習うのはまるで禊のような効果があるとも言っています(笑) 日本文学を読む時間、彼にとって至福の時なんです。

120ページ程の「ふるさと」もやっと先日読み終わることができ、今国木田独歩の お話を読み始めたところです。彼にずっと以前私の好きな国木田独歩の短編を翻訳してあげてイラストを添えて贈ったことがあって、彼もその話をとても気に入ってました。今国木田独歩の文章を日本語で読ませることができて嬉しいですね。
by honeyfire | 2011-05-18 12:44 | 読書