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アイゼナッハのヴァルトブルグ城 5

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ヴァルトブルグ城で大きな見所と言われているのは「歌の間」ですが、12∕13世紀のヘルマン1世の時代に、ミンネゼンガー(吟遊詩人)である騎士達をここの広間に招いて盛んに歌合戦を催していたそうです。中世の時代には騎士達にも教養として詩を創作したり歌う習慣があったそうで、主に騎士道精神や愛の歌を歌っていたそうです。

歌合戦では城主の前で騎士達が詩を競い合っていたそうで、中には負けた者が命を落とすという命懸けの壮絶な闘いであったという伝説がありますが、後にワーグナーがこの歌合戦を題材に歌劇タンホイザーを作りました。上の写真は広間の壁に描かれた歌合戦の模様のフレスコで、19世紀の城の修復時に描かれたもの。広間自体は隅に小さな舞台が設けられてあるだけでがらんとしています。この歌合戦のフレスコは広間の唯一の飾りでした。

城内を案内してくれたガイドさん。フレスコの人物には画家自身やゲーテーやシラーやワグナー等が描かれていると説明していました。

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12世紀頃のミンネザングというのは例えばこんな感じのメロディです。これは愛の歌が歌われているようですが、歌合戦ではもっと勇ましい歌が交わされていたのでしょうね。



下の写真は「祝宴の間」。ガイドが扉を開けて自慢げに招き入れてくれました。
350平方メートル程の広さだそうです。19世紀に修復されたのですが、天井の独特の形状は音楽家のフランツ⋅リストが部屋の音響効果を高める目的で建築家にアドバイスしたそうです。今でも、ここでコンサートやその他のイベントが催されるそうです。ここに案内されて全員椅子に腰掛けるとスピーカーから高らかに鳴り響くタンホイザーの大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」を聞かされました。ちょっとこういう行進曲苦手なんだけど(笑)鳴り終わるまでかしこまって座っていなければならない。

ちなみにドイツを旅行する日本人にはおなじみのバイエルンの白鳥の城ノイシュヴァンシュタイン城は、中世騎士道へ熱い憧れを抱いていたルートビッヒ2世がヴァルトブルグ城を見て中世の城のような自分の城を持ちたいと建てさせたそうですが、ここの祝宴の間を模倣した広間も彼の城に造らせたということです。

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by honeyfire | 2014-04-16 23:03 | ちょっとお出かけ